村の平穏祈るお弓祭り

大野区の新年は歳旦祭から始まる。元旦の朝、色川神社に区民が集まり参拝する。–pagebreak–

この歳旦祭の後、翌2日に開催される「お弓祭り」の禊(みそぎ)の儀式が執り行われる。お弓祭りの前に身を清めるためというが、冷え込んだ元旦の朝、川に入り水を浴びるのは非常に厳しい。しかし今年も、お弓保存会の若手3人がこの禊を行った。

「川に入るまでは寒いが、入ってからはそんなに寒さは感じない。水の中のほうが暖かいんじゃないかな」

禊を行った3人ともそう語る。まさに「気合」を感じる言葉である。

1月2日のお弓祭りは天候が心配されたが、開催の時間には太陽が顔を出していた。祭りにかける気合が雲をも押しのけたのだろうか。

この行事で矢を射るのは6人。2人ずつ交代で射るのだが、最初から最後まで一連の決まった動作があり、その動きはゆっくりとして優雅であり、まるで舞のようである。約1時間で48本の矢が射られ、その後「万歳楽」が執り行われる。祝詞が色川の山に響き渡った。

大野のお弓祭りは一度は廃止されたが、昭和52年に復活させたという。昔のお弓を知る人も少なく、手探りの状態からの復活であったのではないかと思われる。その尽力に頭が下がる思いである。(えい)

6人の弓役が48本の矢を射る


 

祝詞をうたう万歳楽