スズメバチにご用心

スズメバチ

スズメバチは最も危険な昆虫(害虫?)の一種である。中でもオオスズメバチ、キイロスズメバチはかなり危険だ。例年以上に猛威を振るっており、色川でも数名の被害者が出ている。巣内の働きバチが最も多い8~9月は特に注意が必要であり、記事が読まれているころはちょうどピークを迎えたあたりかと思う。誰しもがその危険にさらされる可能性があり、ここで改めてスズメバチの危険性について整理しておきたい。

相手の周りをしつこく飛び回る、止まってじっとにらまれる、あごでカチカチと音を出しているようなときはスズメバチが敵だと認識しているサインだ。

襲われたときは、姿勢を低くしできるだけ急いで逃げる(80m以上)。無理な場合は背を向けず後ずさるように逃げる。相手を刺激するため手で払ったりしない。

刺されたら、意識もうろう、呼吸困難、血圧低下などショック症状が出ていないか確認する(局部以外にじんましん、発汗、頭痛、吐き気など全身性な症状が出るのも特徴)。最もひどい場合、アナフィラキシーショック(全身性のアレルギー反応)という危険な状態に陥る。全国で毎年50件ほど起きている死亡事故のほとんどはこれによるものだ。特徴はその多くが1時間以内に死亡が起きていること。このため症状が見られたら、ただちに医療機関にかかり早急に応急処置をうけることが重要になる。

アナフィラキシーショック出現時の対応は、エピペン携行の場合速やかに自己注射し、体を横たえ足を高くする、嘔吐がある場合は顔を横に向け窒息しないようにする、ただちに医療機関を受診。

被害を最小限にするためには、毒を取り除く(口で吸わず、指でつねる。ポイズンリムーバーを使うとよい)、傷口を冷やす(毒の回りを遅くする)。

予防するには、できるだけ露出を避ける、黒の着用を避ける、殺虫スプレーを携行する、自分の体質を周囲に知らせる。

ほとんどの人は刺される回数に応じて命にかかわる危険が大きくなることはないが、蜂毒アレルギー体質の人は、毒が体内に入る回数が増えるに従い反応が強くなるといわれている。まだまだスズメバチの脅威が残るこの夏、一度自分の体質を調べてみるのも良いかもしれない。