実り始めた稲穂や畑の作物を狙う猿、鹿、猪の被害が増える8月、「色川鳥獣害対策協議会」(曽根和仁会長)による猿の追い払い活動が今年も始まりました。–pagebreak–
同会は平成16年に設立され、今年で8年目。毎年この時期になると、田んぼや畑を猿の被害から守るために、住民の中から嗅覚の鋭い精鋭5人を厳選、地域内の見回りを行っています。
見回りは毎日交代で行われ、その内容を記録します。前日に出没した場所などから猿の行動を予測して1日4回ほど見回ります。住民に猿の出没情報の提供を呼びかけるとともに、出没すれば、ロケット花火で追い払い、次に猿が移動しそうな付近の住民に注意を促します。こうした活動により、猿が田畑に入れず、里で食べることができない状態が続けば、山からあまり出てこなくなるそうです。
同会ではそのほかに、猟友会との連携、檻の設置、メス猿を捕獲して発信機を着け、群れの行動を把握するなどの取り組みをしており、昨年は猿10頭を捕獲、1頭のメス猿に発信機を装着しました。
猿の対策は見回りだけでは十分でなく、住民同士のネットワークや、畑の場所や作付けの配置の工夫が被害を少なくする方法とのこと。
曽根会長は「駆除、絶滅させることが目的ではなく、共存していくことが大切。問題の根本には農林業の衰退、就農者の減少があり、農山村の活性化が鳥獣害対策につながる。10数年前はほとんど獣害がなく、人口の減少とともに被害が増えてきた。村や山に人が入ることで、動物を山に帰していきたい」と話しています。
同会の追い払い活動は、地域内の稲刈りがほぼ終了する9月中旬まで続けられます。
(執筆:ざっきー)
猿追いベテラン鈴木茂生さんの渾身の一撃!