学生との交流を通じて見えるもの

「学生たちにとって最上の学び場は地域だ」と言ったのは、どこの大学の先生だったか。3年目を迎えた和歌山大学のインターンプログラム(LIP)も、学びの場を求めて10人の学生が小阪区にやってきた。今年3年目の皆勤賞3回生の相良さん、巽さん、2回生で2年目の藤原さん、そして初めての参加となる7人。「棚田の作業を体験したい」「地域のお手伝いができたら」「文化や風習を記録したい」など、参加の動機は様々だ。

プログラムの最初は顔合わせをかね、伝統料理をみんなで作って食べる小阪区の「燦々会」に参加した。昨年の反省を生かし、今年は準備から学生に手伝ってもらう。彼らが戦力になったか不明だが、食材の切り方など料理の基本から小阪の女性陣に教えてもらい、和やかに準備が進んだように思う。

その後、2人の先生も合流して、みんなで食事をいただく。学生は、事前に作っていた自己紹介シートを配り、一人ずつその場で発表。初々しい1回生の自己紹介、年々しっかりとしてきた3年生の自己紹介、それぞれの個性が出ていて面白い。その後は、20歳を過ぎた学生はお酒を酌み交わしながら、住民の話に耳を傾けていた。

「昔、小阪には鉱山があって…」。そんな話から、有志の皆さんが、翌日学生たちを鉱山跡へ案内してくれることに。かなり過酷な道だったようで学生たちはへとへとになっていたが、色川を肌で感じる体験になった様子。

3年目となり、学生たちの動きや顔つきに成長を感じる。住民も学生たちに親しみを感じているように見えた。何のために受け入れるのか?模索しながらだが、継続することで見える意義があるような気がした。